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設定編
第一章 地球防衛軍 及び 地球連合政府概略
地球防衛軍 ( Terrestrial Defense Force)
21世紀終盤において、環境破壊の進行と、其れに適応した新たなる種「ファルサ・アーキオータ(擬古細菌性微生物群)」の発生と侵食拡大によって地球環境は決定的壊滅を遂げ、完新世の終焉と新生代第五紀が訪れた事、更に2049年に僅か二週間で40億人の命を奪った「スタンリー凶熱禍」後の人口空白地を巡っての度重なる限定核戦争とその残留汚染による生活可能圏縮小、及びその危機に本能的に抗うかのごとき人口爆発の狭間で、人類は極限状況に追い込まれつつあった。その様な状況下において、2095年の「来航」、即ち人類が始めて接触した地球外知性にして高次存在たる「超越者」との接触と、彼等より与えられたオーバーテクノロジーは正に「福音」そのものであったと言える。
旧アメリカ合衆国軍のNORAD(北米防空司令部)に突如転送された圧倒的な情報量の通信と、完全な英文法によって人類に伝えられた「物理次元とは異なるレヴェルにある高度な思念存在」の意志とは、危機よりその存在を救うと同時に人類を『彼らの秩序と調和』へと誘うものであり、その受け入れは結果的に人類の彼等の指導下への参入を意味した。この事実は国連緊急総会上において未曾有の紛糾を招き、幾多の危機によって衰退途上にあった人類は、「従来の国家制度を廃止し、人類単一の統治システムを構築し『超越者』の指導下に入る」事を主張する、旧合衆国を中心とした「統合派」と、その主張に懐疑的であり、ともすれば武力による高次存在の打ち払いと言う現実不可能とも言える主張を行いがちな、旧CIS諸国を中心とした「反統合派」に分裂する事となった。この冷戦の再来とも言える抗争は、やがて全面武力衝突へと発展し、後に言う「統合大戦」が勃発する事となる。
一時、膠着したかに見えた戦線は、日和見を決め込み「中立」を宣言していた旧中華人民共和国政府の統合陣営への参入により一気に形勢が傾き、2109年8月のタシケント陥落による統合派の勝利の一ヶ月後、ニューヨークの旧国連本部において人類初の単一統治制度「地球連合」が発足した。
此れにより諸国家は解体され、当初10の行政州に統合再編される事となったが、その際に発生した問題の一つが、「旧国家の軍を如何に整理・処遇するか」と言う事であった。国家の消滅と人類の統合と言う理想が達成しえたのだから「最早軍備は不要」と言うリベラル派の主張から、「統合大戦を戦い抜き、連合設立の礎となった軍人を侮辱するのか」と言う保守派の反発まで幅広く議論が紛糾する中、現実問題として「依然として連合は不安定でありその基盤は磐石とは言えない」との連合政府執行部の判断に基づき、諸国家の軍を整理・統合して地球連合政府中央直轄の「地球防衛軍」を創設する事が決定された。しかしながら、未だ「国家」の色彩の抜けない連合各州は完全なる武力放棄に難色を示し、しかしながら「各州毎の武装」はいわば連合の理念として認める事は困難であることから、「各地域の旧国軍を元に編成した方面軍を連合10州に配置するも、飽く迄組織としては連合中央政府隷下に一元化する」という事で決着を見た。
22世紀に入り、人類は「超越者」より供与されたオーバーテクノロジーを元に静止軌道上に大陸規模のオービタル・リング(俗称エンジェル・ハイロゥ)を建設、其処を拠点に本格的な太陽系開発に乗り出す。又、アステロイドに建設されたスターゲートの開設により、人類は他の「高次存在指導下にある知的生物」との接触と交流を持つに至るようになる。それらの「宇宙時代」の到来により、従来の防衛軍組織を「中央軍」と位置づけ、新たに宇宙空間を活動範囲とする「太陽系宙航軍」が新設された。
2030年代、地球連合体制はその草創期・成長期から安定期に入る時点で、新たなる問題に直面する事となった。地球連合設立を主導した旧国家の勇でありながら、連合設立後においては「他州市民と等しく同じ地位」におかれ、最早「世界最強の一等国民」としての地位を失った旧合衆国系・北米州市民の不満は年々高まりつつあり、遂に、20年代に世界を吹き荒れた民族主義・個別国家主義に基づく再独立運動の流れを汲む「連合不要論」に基づき、旧米五軍の退役軍人等、及び北米方面軍の一部部隊による大規模な武装蜂起が発生した。後に言う「北米内戦 (CWU=第二次南北戦争)」の勃発である。連合政府関係者らエリート層と、旧合衆国系一般北米市民、特に中西部・南部の保守層を中心とした合衆国再独立論者の間の利害相克は深刻であり、治安出動に動いた北米方面軍による早期鎮圧を期待した連合中央の期待は見事に裏切られる。この問題の他州、特に「敗戦国」たる旧ロシアを擁する北方州等への波及を警戒する連合政府は、この問題を飽く迄「北米行政州の治安問題」と位置づけた為、「防衛軍設立時の大原則としての、方面軍管轄外での治安出動の禁止」に抵触する動きを取る事はきわめて困難であった。
次第に北米内戦は南部・中西部から戦域を広げ、反乱軍(南北戦争後の南部ゲリラになぞらえ、ニューカントレルと呼ばれた)の勢力は北米行政府の拠点たる東海岸及び旧カナダ地域に迫る勢いとなった。旧式とはいえ原子力航空母艦や原潜、世界屈指の戦術空軍、空挺部隊・機甲師団、挙句に戦略核基地までも擁する史上最大の反乱軍の増長と、北米州行政府からの悲鳴とも言える非公式の救援要請を重く見はじめた連合執行部は、秘密裏に防衛軍に「強力な非公然部隊の編成と投入」を指示する。それにより、「中央軍」「宙航軍」と並ぶ「第三の直轄部隊」たる「第1特殊作戦群(SOG-1)」が創設された。この部隊の中核となったのが、各方面軍より送り込まれた候補者を「特殊な方法で選抜し」作り上げた精鋭部隊、「長距離破壊中隊 (Long Range Demolition Company)」、別名「零号中隊」と呼ばれた部隊であったと言われる。但しこの「非公然部隊」に関し、正規の名簿、作戦記録等の一切の公文書は現存せず、防衛軍がLRDCの存在を公に認めた事は無い。しかしながら、彼等の投入と、その反乱軍拠点への徹底した破壊活動や熾烈な殲滅戦が北米内戦の戦局を決定的に変え、最終的にその鎮圧に至らしめた事は内外の関係者全てが口をそろえて証言するところともなっている。ニューカントレル将兵の間では、この「幽霊部隊」は「Hell Hound(地獄の猟犬)」の通称で憎悪と恐怖の対象ともなり、その呼称は何時しか、この「存在しない部隊」をあらわす呼称として防衛軍側でも用いられるようになっていったとも言う。尚、内戦末期においてこの「地獄の猟犬」達に関する噂・消息の類は忽然と消え、その後一切の痕跡を残していない。只、「その残忍な手法に強い怨念を抱くカントレル将兵側の総力戦に破れ捕虜となり、激しい私刑の果てに総員惨殺された」「度重なる虐殺等によって発狂した隊員等による内紛によって壊滅した」等の都市伝説とも言える噂のみが残るのみである。何にせよ、この『地獄の猟犬』に纏わる事象は「防衛軍最大の汚点・タブー」として封印されている事だけは確かと言える。
「人類最後の戦争(政治的武力紛争)」となったこの北米内戦の終結により、防衛軍は倦怠を孕む「安定期」に入る。その平和な時代は、誕生時より存在した「防衛軍不要論」に一層の拍車を掛ける結果ともなり、リベラル派等による批判・圧力はある意味拡大傾向にあるとも言える。又、北米内戦後の新時代に置いて防衛軍が想定している「脅威」、即ち「地球外からの侵略」に果たして何処までのリアリティが存在するのか(スターゲートを通じて交流のある他文明は何れも高次存在の助け無しには太陽系訪問は愚か、自惑星の存在する恒星系の外に出る事すら不可能な水準にあり、スターゲートを此方から閉じるだけで一切の接触は不可能になる。又、太陽系侵略のメリット自体彼らには全く存在せず、動機、手段の両面で『脅威になろうとしてもなりえない』相手しか居ないとも言える。)、或いは、存在を確認していない可能性としての未知の脅威に対して、旧態依然の人類同士で用いてきた戦術で対抗する事は可能なのかと言った批判は後を絶たない。
しかしながら、連合執行部を初めとする政府関係者間で囁かれる「高次存在内の派閥間路線対立・人類に否定的な姿勢を持つ派閥の存在」やそれと連動していると見られる木星軌道圏外における「眷属(高次存在に最も近いと考えられる超物理存在)」の活動による人類への直接的脅威等を鑑みる時、「何らかの対抗措置を取りうる機関・能力」の存在は必須と言える。それ故に、今後の地球防衛軍、及び地球連合政府防衛・公安両局には「より現実的な脅威に対する的確な対処」と「その為の能力・編成・装備を備えた組織」への一刻も早い改変・脱皮が求められる事となるであろう。
(ミリタリー・バランス 2148年度版 総論より抜粋)
図1 地球防衛軍組織図

地球連合 (Earth Coalition)
21世紀後半、後に「超越者」と呼ばれる事となる高次存在(超物理的情報・思念存在)との接触を契機にその設立が提唱され、統合大戦を経て誕生した人類初の単一統治制度。当初、旧国家群を廃止すると同時にそれらを基盤とした、強い自治権限を持つ十の行政州によって構成され、後に南極州、月面州が当該地域の人口増加とともに設立された。二院制から成る議会制民主主義体制を取るが、その設立目的が「危機的状況に陥る人類の生存と再興」と言う一種の危機管理組織的性格を持つが故に、選挙によって選出された連合首席を頂点とする連合中央執行部には旧時代の大統領制を上回る強い行政権限が付与される。
地球連合旗

地球連合の各行政州は下記の通り。
北米州
北極海沿海部からパナマ地峡に至る北米大陸をその範囲とし、旧合衆国の後裔と言う意識が強い。又、地球連合発祥の地であるとの自負も見られる。主要民族は22世紀中盤における、漢族とならぶ二大マジョリティたるWASP系が主を締め、依然として連合政府に対し強い発言力を持つ。しかしながら経済的には凋落の一途を辿りつつあり、高い失業率や歯止め無く拡大する格差に大衆の不満が蓄積、治安の悪化も著しい。22世紀前半に「人類最後の『国家間』戦争」と皮肉られた北米内戦が勃発、北米州行政府及びその治安出動要請を受けた地球防衛軍・北米方面軍と自称、旧『合衆国軍』を名乗ったニューカントレル軍との間の激しい抗争の犠牲者は一千万人を超えると言われる。又、サンベルト地帯以南の旧世紀住民の殆どが凶熱禍発生時に失われた。別名「アングロアメリカ」。行政府所在地(州都)はニュージャージー特別区(旧メリーランドからロードアイランドに掛けての大西洋岸メガロポリス)。
北米州旗

南米州
パナマ地峡以南の、パタゴニアに至る南米大陸全域を版図とする。熱帯圏全域を直撃する形で猛威を振るった凶熱禍の発生時、地形的条件から避難民の南下阻止が困難であった為、旧市民の97パーセントに及ぶ犠牲者を出し、現在の南米市民の殆どは21世紀後半に中欧圏を中心とした地域から移民した人々である。ドイツ語圏からの移民の多さにより、公用語及び文化が著しくゲルマン化され「ゲルマンアメリカ」の別名でも呼ばれる。又、カリブ海沿岸地域とアンデス山脈の一部に「ヒスパニック・アンデス特別文化保存地区」を擁する。アンデス山脈からアマゾン川流域に掛けての地域を中心として、大陸全土に深刻なファルサ・アーキオータ(擬古細菌性微生物群)汚染が進行しており人類の生活圏及び既存生命圏は縮小の一途を辿っている。行政府所在地(州都)は Südwaldburg (旧ブラジリア)。
南米州旗

豪州
旧オーストラリア、ニュージーランド、ニューギニア及びハワイ・サイパン等太平洋島嶼部の大部分を含む。パシフィックステートが正式名称だが慣用的にオーストラリアの呼称が用いられる事が多い。地形的要因から凶熱禍発生時にスタンリー病原体の南下防止を防止できず、ニューギニアから旧オーストラリアにかけて壊滅状態に陥っており、現在のニューギニア及び大陸在住市民の大半は北米からの移民である。(南太平洋島嶼部の一部やニュージーランドは感染拡大を免れた。) ニューギニアから大陸中部に掛けての汚染・環境壊滅は深刻であり、又ファルサアーキオータ汚染も既にタスマニア・ニュージーランドまで拡大している。行政府所在地はシドニー特別区。
豪州旗

極東州
台湾海峡に面した南西諸島から日本列島、千島列島及び南樺太をその範囲とする。統合大戦当時は旧合衆国を中心とした統合陣営の前哨線となり、20世紀中盤以来の戦禍を被ったが戦後、その統合陣営への貢献を主張し、日本列島の東亜州編入に対し強硬に反発。連合十州の中で最小の行政州としての独立した地位を保つ。又、この州配置の際の対立以来、東亜州との間に深刻な感情的軋轢を有する。その成立経緯故にエスニック・アイデンティティの強い地域と見なされており(州章の中に連合徽章を含まず、唯一旧日本国章から引き継いだ州徽章を持つ事は象徴的)度々、連合議会において衝突の火種となる。又、2120年代の反連合・旧国家再独立運動(レコンキスタ・ムーブメント)による騒乱が最も激しかった地域とも言われる。深刻な環境汚染・壊滅に苦しむ所は他の各州と替りが無いが、同時に早期にリテラフォーミングに着手し、又海に囲まれた狭い地域である為ファルサ・アーキオータ汚染率の最も低い州でもある。行政府所在地は関東特別区だが、象徴的州都は旧皇族が世襲名誉知事として所管する関西地区・京都特別市。
極東州旗

東亜州
北米州と覇を争う、二大有力州のもう一方であり、太平洋岸においては蒙古地域、黒竜江南岸から沿海州、朝鮮半島、台湾島、インドシナ半島北部まで、内陸部においてはシベリア以南のヒマラヤ北部をアラル海東岸まで占める巨大州である。人口構成の大半を、WASPと並ぶマジョリティである漢民族が占めるが、他に蒙古系・朝鮮系・西蔵系市民も一定割合存在する。(中央アジア地域は凶熱禍以降在来市民の人口減少が著しく、統合後新たに入植した漢系市民に飲み込まれつつある)最大の人口を有する州であると同時に、最も深刻な環境壊滅に面した州であるが、その経済力は欧州と並び十一州屈指を誇る。同時に、凶悪な組織犯罪や深刻な政治腐敗に悩む地域でもある。行政府所在地は台北特別区ながら、経済的中心地域は単一都市としては最大人口を誇る渤海特別区及び重慶特別区。
東亜州旗

北方州
ヨーロッパ東部からカムチャッカ半島に及ぶ範囲を有する広大な州ながら、統合大戦当時「反統合勢力」の中心となった旧ロシアを元にする為その発言力・影響力は限られている。構成民族の圧倒的多数はロシア系、グルジア系、ウクライナ系を初めとするスラブ系市民。経済の低迷や深刻な失業率に悩まされ、又連合政府に対する不満は根強い。行政府所在地はサンクトペテルスブルグ特別区。
北方州旗

南洋州
インドシナ半島南部からヒマラヤ・コーカサス以南、アラビア半島を範囲とし、地中海東岸を臨む広大な州であるが、凶熱禍発生時に正にその直撃を受け地域内での人口壊滅率が99.8パーセントと言う惨禍に見舞われており、現在の市民の大半は旧欧米及び東亜圏からの入植者で構成されている(一定割合のヒンドゥ系市民在り)。別名コロニアル・ステーツ。近年経済発展が著しい。アラビア半島に「イスラミック文化保存地区」を擁する。行政州所在地はアッサム特別区。
南洋州旗

欧州
旧ヨーロッパ諸国を基盤とする有力州。凶熱禍発生時に悪名高い「アルプス・ピレネー阻止線」以南の壊滅を経て、現在アイルランド島からアナトリア地方にかけての地中海以北を範囲とする。凶熱禍後「再入植」された地域と異なり従来からの多様な民族構成を有する為、単一民族により発言力を拡大する二大マジョリティ(WASP・漢族)に対する危機感は根強く、又「居留地=特別文化保存地区」における「エンシェント・ピープル」への連合政府の特例的保護主義に対する怨嗟も強い。又それによるコーカソイド至上主義の発生も深刻な問題となっている。行政府所在地はブリュッセル特別区。
欧州旗

東アフリカ州
別名「チャイニーズアフリカ」。東経20°以東のアフリカ大陸を版図とし印度洋を臨む、典型的な「再入植」地域。凶熱禍により旧市民の殆ど(及び大半の野生動物)が死去した為、旧国連が実施した大規模入植事業において、このラインより東を旧中国、西を旧EUが管轄する事となった事から漢族を主体とする東亜系市民の人口が急激に増大、アフリカの地でありながら上海・香港・澳門等のユーラシア東岸に居るかとの錯覚を起こさせる様相・景観を呈するようになった。公用語は北京語・広東語。ファルサアーキオータによる汚染が最も激しい地域であり、海岸線から数百キロ内陸に入れば山脈、平原、河川湖沼を問わず粘液状微生物と異様な触手・繊毛・内臓器官様の組織体に覆われ、又大気は酸や瘴気を孕み防護服無しでは生存困難な「地球上とは思えない」悪夢の如き光景を呈して居る。しかしながら、依然としてその豊かな地下資源の存在は開発業者にとって強い魅力を保っており、当局の手の及ばない内陸部に建設された企業その他の保有する採掘拠点においては、一種の無法状態や開発企業に雇用されたPMC(民間軍事企業)同士の抗争も絶えない。行政府所在地は摩加迪沙特別区(旧モガディシオ)。他の人口集中地として亜歴山特特別市、内羅比特別市等が上げられる。その成立経緯故に東亜州との政治的・経済的関係が強い。
東アフリカ州旗

西アフリカ州
東経20°より西側のアフリカ大陸を版図とし、大西洋を臨む。東アフリカ州と同様の「再入植地」の典型であり、「コロニアルアフリカ」「ホワイトアフリカ」の異称を持つ。主として欧州、北米からの入植者が市民の大多数を占め、又ギニア湾岸に「ネイティブアフリカン文化保存地区」が隣接する。隣州である東アフリカとの関係は決して良好とは言えず、特に大陸中央部の地下資源採掘権を巡っての政治対立は熾烈である。自然環境については東アフリカ側と大差ない状態であるが、一部サハラ地域には、乾燥によりファルサ・アーキオータの繁殖が進みにくい風土が幸いし、リテラフォーミングが進んだ地域も見られる。大陸中央部は東アフリカ程では無いにせよ、その深部は一種の無法地帯であり、脱法的開発業者やそれらが雇用するPMC部隊、或いは犯罪組織の跋扈する地域と言われる。又それらの中には両州財界や行政府高官と強いコネクションを持つ業者もあり、時にPMCによる実力行使を伴う資源争奪は「東西アフリカ州行政府の代理戦争」であると揶揄される事も珍しくない。行政府所在地はダカール特別区。
西アフリカ州旗

南極州
地球上で最後に誕生した行政州であり、此れにより空文化していたとは言えその効力は持続していた南極条約は完全に廃止された。22世紀に入って未だとまらぬ人口増大に対応すべく始まった南極入植は、その寒冷な気候からファルサ・アーキオータの繁殖を抑制できる地域性故に希望者が後を立たず、その著しい経済発展と共に遂に2125年に連合中央政府直轄地から独立した行政州へと昇格するまでに至った。他の各州と異なり「旧国家の利権から離れて存在していた」事が幸いし、きわめてニュートラルな一種の「地球連合の模範」とも言える気風を醸成している。しかしながら環境破壊自体は既に南極大陸にまで及んでおり、藻類や鰓呼吸を行う完全水棲生物以外の動植物は既に絶えて久しい。行政府所在地は南極点の大陸氷を穿ち建設されたサウスポール・シティ。(別名 氷城市)
南極州旗

特別文化保存地区(居留地)
きわめて短い潜伏期間と強力な感染性、そして強い毒性により発病後略99パーセントの確立で高熱・多臓器不全を引き起こし死に至るスタンリー病原体の感染爆発は、発生から僅か二週間のうちに人類総人口の三分の二を奪い去った。特に、このウイルスは南北回帰線間の熱帯圏で猛威を振るい、又その高い適応力故に、パニックに陥り「死滅圏」からの離脱を試み一斉に南北へと移動した避難民を経て、アフリカ・オーストラリア・南米の諸大陸ではその感染範囲は爆発的に拡大した。この事態を恐怖した「豊かな北の諸国」は軍を動員し南の国境線を封鎖し避難民の流入を阻止した。
この事件は「アルプス・ピレネー阻止線」「死のカフカス・ヒマラヤ線」「雲南大虐殺」等の名で呼ばれ、見殺しにされた人々の記憶と共にその後の歴史においてタブーとされて来た。半年後、国連安全保障理事会によって非常事態宣言が解除されると共に行われた被災地域の現状確認において、偵察部隊が目にしたのは想像を絶する数の人々(及び、同じく発症後死に至った殆どの高等脊椎動物等の)の遺体が、都市や村落を埋め尽くす悪夢の光景であった。
それ故に、この「緊急避難」は生き残った「豊かな北」、即ち欧米・東北アジア諸国において「歴史の腫れ物」として扱われ、長らく、深く言及しようとするものは無く、数年を経ずして始まった「人口空白地域」への入植事業の活気に、この事件は忘れ去られていった。
そして、極まれな耐性を持ち生き残った人々や、当時死滅圏外に居り難を逃れた当該地域在住の諸民族に属する人々はこの入植事業に対し強い抗議の声を上げたが、その絶対人口の差は遺憾ともし難く、生き残ったアフリカ系、南アジア系、ヒスパニック系の人々は再び、社会的排除に苦しむ事となった。
しかしながら、統合大戦終結後に連合政府はこうした人々の救済に着手、地球上四箇所にこれら、既に人類総人口の1%を切った人々を集め、「アンデス・ヒスパニック」「イスラミック」「シベリア・アルタイ」「ネイティブアフリカン」の四つの「特別文化保存地区」を設立し、連合十州に準ずる自治権を付与した。立ち上げ当初、これらの地区は過酷な開拓と建設の苦難に直面したが、自由競争に基づく資本主義体制を「国是」とする地球連合において例外的に「手厚い保護主義経済」と「高度な社会福祉システム」を適用されたこれらの地区は、22世紀中盤においては、連合各十二州において深刻化する格差拡大を尻目に「総中流の安定した経済と良好な治安」「きわめて高い高等教育普及率」を誇る様になった。又、その「失われた文化の保存」を主眼とした地区のあり方は、一種の観光資源として地区の経済を牽引し、「贖罪」意識に駆られたリベラル文化人等の礼賛と相俟って「今は無き、美しき文化の末裔たる人々」の意から「エンシェント・ピープル」と総称される様になる。
同時に、格差拡大に伴い「負け組」へと追いやられたマジョリティ層の中には「エンシェント・ピープルは過度に優遇されている」との不満から民族差別感情を募らせるものもあり、又欧州スラブ系、北欧系等の「非主流派」エスニックグループからは「我々とエンシェントピープルの何処が違う。我々にも特権を与えよ」との声も上がるようになった。それらの怨嗟に基づく差別感情の持ち主からは、文化保存地区は「居留地」の別称で呼ばれる事も多い。
尚、各保存地区の面積は日本列島の四国より若干狭い程度であり、全ての地区の人口をあわせても一億に満たない。(連合十二州の人口合計は百億を越える。)
自然保護区
21世紀後半に発生した「環境壊滅」、及び人間のみならず陸上脊椎動物の殆どに死に至る被害を齎したスタンリー病原体の感染爆発により、既存生命の生活圏は著しく減少し、そしてそれに取って代わるべく出現した、高濃度汚染に対応し爆発的な繁殖力をもってあらゆる有機物を分解、吸収しながら地表を多い尽くすファルサ・アーキオータの汚染拡大によって、研究者等は「完新世の終焉」を宣言、地球生態系の主役は既に人類や既存生物ではなく、この灰青色に滑り輝く粘液状の微生物であると見なすようになった。そのとどめるべくも無い侵食により大陸の多くは山脈、平原を問わず多い尽くされつつあり、又海洋上層の大半は高濃度の水質・大気汚染により生物の棲めぬ死の海と化した。此れにより、野生環境における魚類を除く脊椎動物の97パーセントが絶滅、節足動物や軟体動物に関してもリテラフォーミング未実施地域で見られる事は無くなった。(鰓呼吸により、表層海水に浮上せず生息できる海洋生物については高い生存率を見せた)
その後、約一世紀にわたるリテラフォーミングによって人類はかろうじてその生活圏を維持し、又、菌類培養プラントによる蛋白質製造や巨大な生簀とも言える「再生海洋面」における半養殖漁業、組織培養による食料製造技術の開発により、食糧危機を脱する事となった。
22世紀初頭、連合政府は地球上六箇所にリテラフォーミングを実施し「かつての地球環境の一部」を再現、其処に保護されていた在来動物を集め、多くの植物を植えて「自然保護区」を設立。再び「野生動物」が一般市民の目に触れる事となった。しかしながら、「精々地方都市一個分の面積を高度技術で厳重に管理し、かろうじて維持されるものが自然・野生と言えるのか」「観光客対象のテーマパーク・只の大規模な動物園」との批判の声も存在する。だが、既にその「自然保護区」の外に、「人類が口にするところの自然」は最早何処にも存在する事は無く、自然保護区が「きわめて貴重な、最後の古い自然」である事に疑問の余地は無いと言える。
「エンジェル・ハイロゥ」
赤道上空三万六千キロの静止軌道上に建設された環状に地球を取り囲む巨大な軌道構築物であり、その面積が大陸に匹敵する物である事から「人工大陸」の異名を取る。扇子の台紙状に概ね四つに区分され、それぞれの地区に「東勝神州」等の仏教経典に登場する、須弥山を囲む四つの大陸に因んだ名称が付けられている。太陽系開発における最重要拠点であり、宙航軍艦艇を含む地球圏に置ける全ての「外洋型」宇宙船舶の母港ともなっている。地表との連絡にはもっぱらSSTOが用いられるが、これは大気中を浮遊するファルサアーキオータが発する酸を原因とする腐食によってその耐用年数が極めて短くなる事が判明した事から、本来静止軌道構築物の強みとも言える軌道エレベーターの構築が見送られた為である。
「スターゲート」
22世紀に入り、「高次存在」によって齎されたオーバーテクノロジー(超空間利用技術・重力制御等がその代表)を元に、アステロイドベルトに建設された巨大な超空間通路。未だ、自力での恒星間航行技術を持つ知的『生物』は(ごく一部の例外を除き)存在しない為、現在、太陽系と交流を持つ他の知的生物が居住する恒星系とは、全てこのスターゲートを通じての交流が行われている。又、このスターゲート建造技術については人類自身理解の及ばぬ部分も多く存在し「与えられた情報を元に、言われるままに造った」と言う感が強い。又、接続先の「他のスターゲート」も悉く、「高次存在と接触可能な水準に達した種族が、彼等の言われるままに建造した」物が全てであり、人類自身、未だ「向こう側が実際は如何なる場所に位置するのか」と言う確認もされては居ない。高次存在の助力無しにこの「門」を作り、運用しうる種族は無い為、一度一つのゲートが閉じれば、自力で再びその場所を訪れる、或いは帰還する事は永久に不可能となる。故に、人類は「未だ自力で太陽系の外に出た事が無い」状態にある。
しかしながら、この門の運用は現在のところきわめて安定しており、複数の恒星系に属する惑星と既に常時交流を持つ段階に至っている。既に、多くの連合市民にとってそれらの惑星は往来の容易さ故に「木星圏よりも遥かに近い」存在として認識されつつある。
人類統合の契機を作り出し、又高度なオーバーテクノロジーを供与した「人類の認識の及ばぬ存在」。突如として大量の情報送信の形で人類と初の接触を持ったと言われるが、その実態は依然として余りに未知の存在である。彼等は物理次元にその実体を持たぬ「情報・思念存在」であると思われ、時間・空間の概念に縛られる事が無い。又、スターゲート運用開始後においては、そうした「指導」を受けているのは人類のみならず、複数のある段階に達した知的「生物」が同様の接触と「指導」の下に文明を発達させている事が確認されるが、その目的は依然として不明。又、彼等の「指導」が必ずしもその種族にとって良好な結果を齎すとは限らず、失敗の果てに恒星系毎消滅した事例も存在する事が他種族より伝え聞かれる。「超越者」「元老院」等の呼称で呼ばれる事もあり、又その恒星系毎の「指導傾向」の時に極端な差異や矛盾から「高次存在内に派閥、或いは路線対立が存在する」との説を実しやかに語る研究者や連合政府関係者は後を絶たないが、実際の所それを確認する手立ては存在せず、又その「仮説」は実際の所、発言者の政治的企図乃至都合によって「利用されている」だけと言う事が殆どである。又、少数派ではあるが、研究者によっては「高次存在を派閥などと言う低次元の概念で捉える事はナンセンスであり、我々、指導を受ける種族は彼らにとっていわば実験材料に過ぎない。同一実験者の行う個別の実験の方針が違う事の理由を、シャーレの中の細菌が理解できると思うのか」と言う辛らつな指摘を行う事もある。
又、「眷属」と呼称される「存在」乃至「現象」が高次存在と何らかの関連を持つ、或いは「眷属」とは「人類に否定的姿勢を持つ高次存在による、人類排除の手段である」との「仮説」も多数存在し、状況を混乱させる一因ともなっているが、此れもまた具体的な確証は無く、それらを気象の如き「自然災害」や「一種の精神疾患」と捉えるべきとの見解も存在する。
尚、高次存在と地球連合政府の間にある種の「密約」が存在し、その実現手段として連合当局が「進化促進計画」なる極秘プロジェクトを非公開で遂行しているとの無責任な風聞が近年屡囁かれる。
「で、ラブボディを使った感想なんだが、空気穴のあたりにまだ改良の余地が」
「あの、あの、御兄様。もうコメント欄が始まっているのですけれど。」
「…」
「…」
「…ちっぱいぱんっ!」
「どんな驚き方ですの。」
「んで、『コメント欄』って何の話。」
「何の話、ではございませんわ。砂漠谷麗馬様の御投稿作品である御オリジナル小説、『WORKERS』の設定編を今日は御紹介するんですのよ。」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…?」
「どんだけ物分りが悪いんですのっ! っていうか顔芸されても文字で一切伝わりませんしっ!」
「突っ込みどころ満載だな!」
「いえ、そこまで満載でもないのですけれど。」
「まさにカオスだな!」
「御兄様、言いたいフレーズを取り敢えず言っているだけなのですわ。」
「さあ、そんな無駄話は良いから、さっさとコメントに入ってくれないか。」
「何様なんですの御兄様は。…いえ、そもそも、コメントは主に御兄様にして頂こうという趣旨なのですけれど。」
「っていうか、『コメント欄』って何の話?」
「天丼ですわね…。だから、砂漠谷麗馬様の御投稿作品を今回頂きましたので、」
「何で?」
「何で、って。このサイトはどなたからの御投稿作品も募集しておりますでしょう? まあ、実際に送ってくださるような物好きな方々は既にいなくなりまして久しかったのですけれど、何年かぶりでそれを御投稿頂けましたので、こうして晴れて公開させて頂いているという訳なのですわ。」
「…?」
「何でそんなに疑問符なんですの…。」
「投稿募集? そんなことしてたっけ?」
「してたんですの。言わせて頂きますけれど、御兄様のサイトですわよ、ここ。」
「そうなのか…で、どんな路線図を送ってきてくれたんだ?」
「いえ、鉄道路線図でなくて。オリジナルの小説ですわ、小説。というかそれメインのサイトで、路線図とかが余興だったのではなくって?」
「けど、ウチで小説なんて最後の更新が6年前だぞ?」
「それは御兄様の怠惰が問題なのでしょう。まあ、御兄様もその間に非公開で色々書いていらっしゃったのかは存じませんけれど…。」
「そら俺だってやってるさ。これでも作家の端くれだからな。去年の5月くらいあたりは、結構書いてたぞ。」
「その後は?」
「…」
「…」
「で、結局何を送ってきてもらったんだ?」
「……。」
「あ、コーヒーとかが良いな。あんまり腐らない奴。」
「いつから御歳暮の話になったんですの。砂漠谷麗馬様の、御投稿作品を今回頂いたんですのっ!」
「天丼だな!」
「御兄様がそうさせてるんですのっ! というかくどいだけですわっ!」
「なら、さっさと話を進めてくれないか。」
「ですから、何様なんですの…。ですから、今回こういう素晴らしい作品を頂きましたので、それに適宜、つたないながら、わたくしたちの感想なども交えつつ、砂漠谷様に感謝していこうというコーナーなんですのよ、ここは。」
「突っ込みどころ満載だな!」
「どこがですのっ!」
「天丼だな!」
「一々言わないで結構ですのっ!」
「タグ固定だな、『これはクドい』って。」
「タグとかありませんし。昔ながらのテキストベタ打ちのサイトで訳の分からないことをおっしゃらないでくださる?」
「この『クド』は、能美クドリャフカとはそんなにかかってないからな。」
「一切かかっておりませんわ。というか、思いついたことを推敲ゼロで全部口にするのはやめて頂きたいんですの。」
「ってかさ。鯖たんのワー何ちゃらって、確か唐突工房で公開してる小説だったんじゃなかったのか?」
「急に話題が戻りましたわね。と言いますか、一単語くらい覚えてくださいまし。…ええ、確かにこの『WORKERS』、もともと、齊藤りゅう様の御ウェブサイト『唐突工房』の方に砂漠谷様が御投稿なさっている作品なんですの。」
「主に、唐突に痙攣しだしたり、唐突に嘔吐しだしたりする高校生についてのサイトなんだよな。」
「違いますの。」
「で、何でそっちの投稿作品、ワーキングだっけ?がここに来てるんだ?」
「札幌のファミレスは関係ありませんの。…何やら聞くところによりますと、齊藤様が現在御多忙とのことで、御ウェブサイトの更新がままならないようなのですわ。ですのでこの『WORKERS』、その1からその10まで既に御公開済みで、まさに今クライマックス、というところで続きが宙ぶらりんになってしまわれたと、そういうことらしいんですの。」
「そんなこと言ったら、俺だって多忙だぞ。ラブボディの空気をプシュープシュー抜くのにどれだけ時間がかかるかと」
「そういうレベルの多忙と一緒にしてほしくないんですの。とにかくそういうことなので、『続きを師匠のサイトで公開してもらってもよろしいでしょうか』という御話を、今回、砂漠谷様から頂いたのですわ。」
「で、いくらでOKしたんだ?」
「いつから有料制になったんですの…もう良いですから、早く本来の感想コメントを頂きたいのですけれど。」
「だって、まだ見てないから…」
「さっさと閲読してくださいませっ!!」
「わあったわあった。」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…コメント欄が始まってから読み出すというのも、根本的におかしいような気がしてきましたわ…。」
「…」
「…まだですの?」
「ああ、読んだ。大体読んだ。」
「大体…まあ良いですわ。それではさっそく、御感想を」
「よく分かんない。」
「…」
「いや、最初『中二病!』って思ったんだけど、いわゆる中二病とも傾向の違う病気だよな、これ。何だろう、大友病?」
「あの、折角頂いたものなのですし、もう少しこう何と申しましょうか、オブラート、もとい、敬意をですね、」
「FOTWにでも載りたいのかな?」
「人の話聞いております?」
「いやいや、違うんだよ。こういう態度は、親愛の情の表れなの。全然知らない相手だったら、俺でも多少遠慮するけど、今回は相手が相手だろ。『師匠』、『鯖やん』の仲だからさ、」
「わたくし、御兄様が『鯖やん』なる御単語を使われたのを目撃しましたのは、今この瞬間が初めてなのですけれど。」
「まあ確かに、投稿小説のコメント欄で使ったことはなかったかな。ブログなんかだと結構使っているんだが…。」
「御兄様が御ブログを御持ちであるなんて話も今の今まで聞いたことがなかったのですけれど。」
「ああ、アレだ、飲みの席なんかだと結構そう呼び合ってるな。」
「わたくし達は埼玉県で、砂漠谷様は北陸に御住まいだと思っていたのですけれど。」
「一緒にバスフィッシングをやる時とかに使ってるんだよな。」
「御兄様がされる『釣り』なんて、VIP板でスレ建てするくらいが関の山なのでなくって?」
「あー、そうそう。一緒に電車の駅の階段下に潜んで、通学中の女子高生のおパン」
「普通に名誉毀損ですわよね、その戯言。」
「まあとにかくそういう仲だから、遠慮とかはいらないのサッ!」
「何なんですの、そのイラッと来るカタカナ。…と言いますか、前から不思議だったのですけれど、何でこんな御兄様を砂漠谷様は『師匠』とお呼びになっていらっしゃるのかしら。師匠らしいことなんか、何一つされておりませんわよね?」
「主に白井黒子のエロ同人を見たりしている。」
「キリッ、とされても文字で伝わりませんし、師匠らしくありませんし、砂漠谷様とはそもそも一切何の関係も無い御話ですし。」
「そんなこと言い出したら、そもそも今回のコメント欄は徹頭徹尾鯖たんとは何の関係も無い話しかしてないよな。」
「誰のせいだと思っておりますのっ!」
「あ、今の『徹頭徹尾』は『てってってー』とはそんなにかかってないからな。」
「いりませんわよ、その注釈。」
「なるほど、そういうことなら、」
「どういうことなんですの。」
「次回のコメント欄では、鯖たんが俺の弟子になった理由、そこから歴史の綾なす糸を紐解いていくとしよう。」
「コメント欄って、そういうことでもないような気がするのですけれど…。そもそも、こんなKYなコメントが付いた時点で、砂漠谷様も次回のこちらへの御投稿は御控えになられてしまうのではないかしら…。」
「っていうかさ。今気づいたんだけど、『お前ら誰だ』って話だよな、今回のコメント。今んとこ、俺ら自己紹介とか一切してないぞ。」
「…あ。」
「しかも6年振りの登場で。」
「あー…」
「分かった、じゃあ次回は、主にお前の出生の秘密について夜通し語り明かそうじゃないか。」
「な、何でそうなるんですの。もう全然趣旨変わっておりますわよ。」
「まず秘密を否定しないか。」
「秘密もございませんし。夜通しって、BSの番組ではないんですのよ。」
「モンド21だから、CSの番組だよな。」
「違いますの。そもそも御兄様、コメント欄なんて、十数行もあれば充分だと思うのですけれど。」
「んじゃ、今回はこれでもう十二分だってことだな。」
「…本来の感想としてはまだ消費税分も行っていない気が…。」
「それでは今回は、ここまで。皆さんのお相手は、当サイトオーナーのフラン研と…」
「…」
「お前も名乗れよ。」
「…いえ、そんなラジオ番組みたいな締めかたをされましても。」
「面倒臭いやつだな…じゃあお前が好きなように締めろよ。」
「…。ええと、それでは改めまして、砂漠谷様、御投稿ありがとうございました。御読みになられた皆様は、是非、御感想を砂漠谷様まで送ってくださいませね。それでは皆様、」
「オチとかないのか?」
「邪魔しないでくださいませ。それでは皆様、次回、また御会いすると致しましょう。Au revoir!」
「次回の締めの時はちゃんと、オチも用意しろよ。」
「御断りですわ。」
「あ、今の『御断り』っていうのは『オトソ割り』と」
「もう黙っててくださいませ、御兄様。」